「おつり投資」という言葉を聞いたことがある方は、国内ではまだまだ少ないでしょう。
買い物のお釣りを投資に回す、おつり投資というサービスが、現在アメリカなどで普及しています。
ここでは、おつり投資に関する基礎知識と、取り組んでみたいという方に向けて役立つ情報をお届けいたします。
目次
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最近注目されている「フィンテック(FinTech)」。金融とITテクノロジーを融合したサービスの総称ですが、おつり投資もフィンテックの一種となります。
おつり投資とは、買い物のお釣りを投資資金に回すサービス。既に欧米では、特に若い層において利用者が増えています。
小額をコツコツと投資に回していくので、金銭的リスクが小さい。そして、10年・20年と長期スパンで見た時に、大きな資産形成につながるため、若いほどメリットは大きいのです。
海外でも既に複数のアプリがありますが、実際にはクレジットカードなどで引き落としを行う度に、一定額が投資用口座に振り込まれるシステムとなっています。
2017年半ばころから日本向けのサービスも開始。NHKニュースにも取り上げられ、じょじょに注目を集めています。
おつり投資を実施すると、どのようなメリット・デメリットが生じるのでしょうか?それぞれを挙げていきます。
おつり投資におけるメリット。それは、手軽に投資ができるということ。
FXや株式投資のトレーダーのように、毎日パソコンの前に張り付く必要はありません。
カードなどで買い物をすれば自動的に投資用口座に引き落とされますし、資金の運用は利用しているおつり投資サービスが行ってくれます。
つまりは、日常生活で投資のことを全く意識しなくても、自動的に資産が増えていくというわけです。
お釣りを資金に利用するため、万が一投資で損失を出したとしても日常生活に全く影響がありません。
それどころか、ほっといていたら10年、20年後に大きな資産が形成されているのです。
特に投資の初心者で、「運用はプロの方にお任せしたい」という方に向いています。
デメリットは運用コストに尽きます。具体的には運用手数料や出金手数料などです。
おつり投資における手数料は、月300円だったり総資産の0.3〜1%など各社によって異なります。
月300円と聞くと、とても安いという印象を持たれかもしれません。
しかし、お釣りを資金とするために、最初の数年はさほど資産額は大きくありません。そのため、300円だとしても大きなインパクトを与えてしまうのです。
ただし、資産が増えだして資産額が100万円、200万円と増えていくと、相対的に手数料は非常に安く感じられることでしょう。
対策として最初にある程度まとまった資金を投下するのが、賢いやり方といえます。
元々、おつり投資のサービスは海外が発祥。実際に海外で、どのようなサービスがあるのかを紹介いたします。ちなみにいずれも日本非対応です。
Acornsは、2015年に開始したおつり投資の元祖ともいえるサービス。アメリカのカルフォルニア州にあるAcorns社が提供しています。
現在は、アメリカとオーストラリアで展開しています。
デビットカードやクレジットカードとリンクし、1ドル未満の端数を集めて投資を行います。
Acornsの特徴となっているのが、コンピュータープログラムで最適な分散投資ができる「ロボアドバイザー」を活用している点。まさに、フィンテックの象徴ともいえます。
ポートフォリオは、「慎重」から「強気」まで5つのタイプがあり、自分で選択を行います。
開始後わずか1年で利用者は70万人を突破。会員数の75%が、18〜35歳と若い層が主に利用しています。
Moneyboxは、2016年8月末に開始したイギリス・ロンドン発のスタートアップ企業が提供するサービス。イギリス在住のミレニアル世代(18歳以上)を対象にしています。
投資口座への入金は以下3つの方法があります。自分の都合で好きな時に好きな額を設定できます。
また、ポートフォリオは3つのタイプから選択できます。
以下は、Moneyboxが公開している動画。ゲーム感覚でおつり投資が利用できるという特徴を、うまくみせています。
海外の国々は投資リテラシーが高いだけに、日常にすっかり受け入れられている様子がよくわかりますね。
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では国内はどうかというと、2017年半ばから2つのサービスが開始しました。
日本生命保険系の投資会社が運営するトラノコと、国内向けにロボアドバイザーサービスを手掛けたベンチャー企業によるマメタス(ウェルスナビ)です。
それぞれの特徴をお知らせする前に、各スペックの比較表をご紹介します。
項目 | トラノコ | マメタス |
---|---|---|
運用会社 | TORANOTEC投信投資顧問株式会社 | ウェルスナビ株式会社 |
開始日 | 2017年6月7日 | 2017年5月24日 |
引き落とし銀行 | ほぼ全ての銀行 | 住信SBIネット銀行 |
ポートフォリオタイプ | 3種類 | 1種類 |
投資先 | 国内・海外ETF | 海外ETF |
為替ヘッジ | あり | なし |
家計簿アプリとの連携 |
・マネーフォワード |
・マネーツリー |
発生コスト |
【運用報酬】 |
【手数料】 |
では、それぞれの特徴と評判をご説明していきます。
トラノコは、TORANOTEC投信投資顧問株式会社が運営しているおつり投資サービス。
TORANOTEC投信投資顧問株式会社は、ニッセイ・キャピタル株式会社と株式会社セブン銀行、そしてポイントサイト「げん玉」を運営している株式会社リアルワールドの3社が主要資本提携先になっています。
げん玉で貯めたポイントも、トラノコと連携できますので、げん玉に登録しておくとより資産が増えます。
お釣りから回した資金は、トラノコが用意したファンド(トラノコファンド)で運用されます。
投資先は、上場投資信託(ETF)を通して世界中の株式、債券、不動産などに分散投資を行います。
ファンドは全部で3種類あり、リスクとリターンのバランスから自分で選べます。
米国株式 | 大型株・中型株 |
---|---|
欧州株式 | 大型株 |
新興国株式 | 大型株・中型株 |
先進国(米国除く)・新興国株式 | 小型株 |
日本株式 | TOPIX連動型 |
米国債券 |
国債・社債・モーゲージ債 |
不動産投資信託 | 米国・日本 |
商品市場 | 金(ゴールド)・エネルギー、農産物、貴金属、非鉄金属 |
トラノコの利用者は、経済・政治・社会の動向を踏まえた市況動向に関する専門家の開設を見ることができます。
また、投資額や運用実績に基づいたシミュレーションの確認も可能。今後、資産がどのように積み上がるのかをチェックできるのは夢が膨らみます。
トラノコを利用すると、様々な特典が用意されています。その一つが、ANAマイルのプレゼント。
投資額に関係なく、必ず毎月5マイルが付与されます。
また、利用回数など実績にあわせたプレゼントも随時提供。お祝いとして、口座にお金が振込まれるなどの特典があります。
開始間もないサービスですが、早速トラノコで運営をはじめている人も多いです。
ただし、まだ資本金が少ない人が多いため手数料がネックになっている人が多数。運用益を手数料の300円が相殺してしまうケースも少なくありません。
トラノコの初回入金額額は自由ですが、トラノコで資産形成を行うのであれば、最初にある程度まとまった額の入金をしておくことをおすすめします。
運用益が手数料を上回ることが前提です。
マメタスは、ウェルスナビ株式会社が運営しているおつり投資サービス。ウェルスナビ株式会社は、SMBCベンチャーキャピタルや三菱UFJキャピタル株式会社などが出資しています。
ロボアドバイザーによる資産運用サービス、「ウェルスナビ」がベースとなっており、ウェルスナビの口座開設が必須となっています。
マメタス最大の特徴となるのが、最先端のテクノロジー「ロボバイザー」によって自動で高度な資産運用を実現してくれる点です。
富裕層が利用する金融アルゴリズムに基づき、実質的に約50か国の11,000社以上に国際分散投資を実施。世界経済の成長率を上回るリターンを目指していきます。
トラノコのように複数のプランがあるわけではありませんが、人間心理に左右されない合理的な運用を行ってくれる点は非常に頼もしいです。
毎日の買い物のお釣りからコツコツと運用口座に引き落とすには、家計簿アプリ「マネーツリー」のアカウント開設が必須となります。
連携しなくてもマメタスを使う事はできますが、その場合は「毎日100円を引き落とし」などの設定を代替として行います。
マネタス(というよりウェルスナビ)で資産運用を行うには、初期費用として30万円の入金に加えて毎月1万円以上の積み立てを行わなければいけません。
こうなると、単純なおつり投資とは主旨が異なってしまうのですが、手数料を考慮すると結局このくらいの資金からスタートした方が資金形成は早く進みます。
元々、マメタスはウェルスナビのサービスのコンテンツの一つという位置付けになっています。
マネタスの利用者は、元々ウェルスナビで資産運用を行っている人がその効果を実感し、「マネタスもやってみる」という感覚で取り組む人が多いです。
また、初めてロボアドバイザーを利用する場合でも、最初から30万円以上の資金でスタートするので、手数料のコストで苦しむという方はほとんどいません。
概ね、ロボアドバイザーを信頼し、資産が増えるのを楽しみしている状況です。
おつり投資で資産形成を行うにあたり、トラノコとマメタスどちらを使うのかは迷うところでしょう。
それぞれ特徴があるので、目的や状況にあわせて選ぶのが良いです。
まずお伝えしたように、マメタスには初期費用として30万円以上が必要になります。現時点で投資に回せるだけのまとまった額がないという方は、トラノコで始めることになります。
また、気になる手数料ですが、資金が100万円を超えてくるとトラノコの方が手数料は安くなります。手数料300円というのは、資金額が大きければ大きいほど負担が軽くなるのです。
長期的スパンで見た場合は、トラノコの方が手数料が安くなります。
一方、マメタスの利点は、ロボアドバイザーによる合理的な資産運用が可能になるという点でしょう。
正直、どちらも一長一短ありどちらかが明確に優れているということはありません。どのメリットを重視するかによって、選択肢は変わっていきます。
このページで度々指摘していますが、最初の資金が安いと手数料負けしてしまい、なかなか資金は増えません。
ある程度の資金から始めることで、おつり投資は効果を発揮するようになります。
その点、マメタスは30万円以上からという規定になっているので問題ないのですが、トラノコを利用する場合でもなるべく初期の資金は多めにしてスタートさせましょう。
資産の増え方が大きく変わることになります。
変動相場を活用したどの投資商品も、100%利益を出し続けることは不可能。利益を出す月もあれば損失を出す月もある。
年単位、複数年単位で見て、利益が増えている事が重要です。
おつり投資は、長期に渡り資産を積み上げていくスタイルですので、直近の毎月の成績にいちいち右往左往しないことです。
それこそ、おつり投資をしていることを忘れるくらいの方が、結果的に良い結果を生むケースが多いです。
日本人にとって投資は敷居が高く。実施している割合は、海外と比較して低いです。
そんな中、「より身近に安全に投資できる」存在となっているのが、おつり投資です。当然ながら、利回りは銀行に預けるよりもはるかに高い。
運用スキルは一切必要ありません。銀行に預ける感覚で利用でき、さらに利回りが高いというのは大きなメリットといえます。
NISA(少額投資非課税制度)が開始したことが象徴するように、投資によって資産を増やすことは、年金の先行きが不安な日本にとって重要になってきます。
投資リテラシーを身に付けるために、まずは身近に投資ができるおつり投資からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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